生きていれば誰だって落ち込んでしまうことはありますよね。
ただ一晩経てば元気になる人もいれば、長いあいだ落ち込んだ状態がズルズルと続いてしまう人もいます。
はたしてその違いとは何なのでしょうか。どうせなら早めに元気になりたいですよね。
ですので今回は、なるべく早めに落ち込んだ状態から抜け出す方法についてお話をしていきます。
落ち込むのは悪いことではない
まず最初に分かっておいて欲しいのが、落ち込むこと自体は悪いことではないんですね。
やはり人間なんですから、落ち込んでしまうのが普通なんですよ。
しかしながら、ずっと長いあいだ落ち込んでしまうのは良くないんですね。
時間がもったいないですし、何より自分の心が辛いですよね。
「自分はダメなやつだ」と責め続けてしまうのは不健全な状態です。
こんな辛い状態から抜け出したい、そういうときに多くの人は「ポジティブな人」を目指そうとしてしまいます。
自分がポジティブでいれば、こんな辛い思いはしなくて済む、そんな風に考えてしまうのかもしれません。
しかしながら、これは少し的外れな考え方なんですね。
それは治療と予防の違いみたいな話で、例えば風邪をひいてるときは薬を飲むべきですよね。薬を飲むというのは、治療になります。
同様に落ち込んでいるときは、落ち込んでいる状態から抜け出す方法を考えるべきなんですね。
なぜなら現在進行系で落ち込んでいるからです。つまり治療が必要な状態なんですよ。
一方で、ポジティブになりたいというのは、予防なんですね。
それは健康のために毎日青汁を飲むみたいな話で、風邪をひいてるときにするべきことではないんですよ。
将来的にポジティブでいることは大切かもしれませんが、それは予防であって今やるべきことではないんですね。
落ち込み続けてしまう原因
ではどうすれば長いあいだ落ち込んでしまうのを止めることができるのでしょうか。
それは落ち込み続けてしまう原因から知っておく必要があります。
なかなか落ち込みから抜け出せない人というのは、事実と意見を混同してしまっているんですね。
「事実」というのは、本当に起きた誰が見てもその通りであるという客観的なものです。
そして「意見」というのは、自分がこう思う、このように感じた、このように受け取ったっていう気持ちや考え方のことなんですね。
例えば、何か仕事で失敗したとします。
そういうときに能力がないやつだと思われた、上司に呆れられてしまった、お世話になっている先輩に迷惑かけてしまった、きっと後輩も裏では馬鹿にしてるんだろうな、もう出世できないかもしれないみたいなことをひたすら考えて落ち込んでしまいますよね。
だけど事実というのは「仕事で失敗した」だけなんですね。
その結果、周りにどう思われているかなんて分からないんですよ。
意外と周りは「大丈夫かな。なんかできることないかな」みたいに心配している場合だってあるんですよ。
本来は、何か自分がやらかしたことなら、一回反省をすればいいんですよね。
こうした方が良かったんじゃないかとか、もっと準備すべきだったなとか、もっと相手の気持ちを思うべきだったなっていう風なことを一度考えて、次からはそれを気をつけようでいいんですよ。
でも落ち込みから抜け出せない人は、それを何度もなぞるように考えてしまうんですね。
こうした方が良かったんじゃないかとか、あの時あれが良くなかったんだっていうのをもうひたすら何度も繰り返してしまうんですよ。
その結果、いつまでも自己嫌悪のループから抜け出すことができずに落ち込んでしまうわけです。
しかも事実と意見がごっちゃになってるので、そうやって反省すればするほど、自分の心を傷つけると言うか、自分はダメなやつだみたいなことを繰り返してしまうんですよね。
それが物凄く自分にとって負荷になって、気分も落ち込むし、何よりちょっとした失敗しかしてないのに、それを何十倍にも悪い事のように受け取ってしまうんですね。
落ち込みから抜け出す方法
なかなか落ち込みから抜け出せない人は、事実と意見が混同してしまうからというのが分かりました。
ではどうすれば落ち込みから抜け出すことができるのでしょうか。
それは簡単な話で、事実だけにフォーカスして考えてみるんですね。
たとえ仕事で失敗したとしても、「でも準備は充分だったな」や「でも次また取り返す機会はあるんじゃないか」とかは考えれると思うんですよ。
他にも「でも殺されるわけじゃないし」というのも事実ですよね。
つまり「でも」の後に完全な事実を言って、一回そこで自分を過剰に反省することを止めるんですよ。
落ち込みから抜け出せない人は、事実が10だったとして、過剰に反省することで、それを100とか1000にまで膨らませて受け取ってしまうんですよ。
でも10のことはあくまでも10でしかないんですよね。
それは確かに因果関係とかを考えたら、その10は100に繋がってるかもしれません。
例えば仕事でミスしたことで、自分の評価が下がるかもしれませんし、出世できなくなるというのは、因果関係的にはあるかもしれません。
でも今の時点では、それは事実ではないんですよ。つまりただの意見なんですね。
事実というのは、「自分がミスをした」だけなんですよね。
それをどう受け止めるか、将来どのように変わっていくかは全く分からないわけですよ。
それを自分がこう思うという意見の部分だけをどんどん継ぎ足していって、言ったら自分の想像で自分を追い込んでしまっているんですよ。
だからこそ「でも」+ 「事実」をいくつも出して、過剰な自分を責める妄想をストップすることが大事なんです。
ただ気を付けて欲しいのが、ちゃんと事実だけを考える必要があるんですね。
例えば自分に非があるのに「でも俺なりに頑張ったじゃないか」というのは正しくないんですよ。
それは自分自身が分かってることだから、たぶん通用しないんですよね。
事実として、自分がやったこと、本当の事実の部分のみを出して、冷静にそれを洗い出してみることが大切です。
まとめ
ということで落ち込みから抜け出せない人は、事実と意見を混同してしまい、過剰な反省を繰り返してしまう、だから事実にだけにフォーカスしましょうという話でした。
事実と意見を混同してしまうと、自分自身の変な落ち込みを膨らませてしまいます。だから自分に起きた悪いことの「事実」だけを明確にすることが大切です。
そうすれば自分はどのように対処できるかだけを考えることができるようになります。
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