後悔って本当に辛いですよね。
一見、「辛い思いをしたくないから、毎日を全力で生きる」のは正しいことのように思えます。
しかし、どんなに頑張っても後悔はしてしまうものなんですね。
それは脳のある部分が関係していました。
そこで今回は、脳科学的な観点での人が後悔する理由、そして後悔と上手に付き合っていく方法をお話していきます。
人はなぜ後悔するのか
「後悔しない人生」は幻想である
まず最初に知っておいて欲しいのは、後悔しないというのは無理な話なんですね。
なぜなら脳は後悔を感じるようにできているからです。
脳には、「眼窩前頭皮質(がんかぜんとうひしつ)」という部分があります。
名前を覚える必要はないですが、人間の意思決定において重要な役割を果たしている部分になります。そこで後悔も感じるようにできているわけです。
ところが、この部分が損傷をしてしまった人は、後悔を感じなくなるそうです。
後悔したくない人からすると、羨ましいと思うかもしれません。
しかし、医学的にはそういった人は「精神病」と診断されてしまいます。
さらに攻撃性が増し、人格が変わってしまう人もいるそうです。
ちなみにサイコパスと呼ばれる人は、眼窩前頭皮質の機能が低下していると言われています。
つまり脳の仕組みにおいて後悔は絶対にしてしまうものであり、後悔をしないのは異常な状態ということです。
極端な話、後悔しない人生を送りたいというのは、サイコパスになりたいと言っているようなものなのです。
後悔する理由
そもそもなぜ人間は後悔を感じるようにできているのでしょうか。
それは人類が生き残る為に必要な能力だったからです。
まだ人類が狩りをしていた時代、水や食料の調達、獲物の見つけ方など、過去の失敗を活かし、生きていく為に「後悔」は必要なものでした。
AよりもBの方がいい、BよりもCの方がいい、そんな風に後悔の力で人類は生き残ることができたのです。
ところが現代になると、この後悔の力が逆効果になってしまいました。
世の中が複雑になってしまったからです。
選択肢が多くなり、人や状況によって正解が変わるようになってしまいました。
この人にはAという方法が正解だけど、あの人にはBという方法がいい、そんな風に世の中は変わってしまったのです。
残念ながら、人類が生き残る為に必要だった「後悔」の力が、現代社会で生きるには障害になってしまったわけです。
後悔したくない人はどうすればいいのか
ここまで後悔は人間に備わっている機能なので、「後悔しない」で生きていくのは無理という話をしてきました。
では我々は後悔しながら生きていくしかないのでしょうか。
いえ、そんなことはありません。確かに「後悔」を排除することはできませんが、後悔と上手に付き合うことはできるんですね。
例えば、人間に備わっている機能という点では、空腹も同じですよね。
生きていればお腹は減る、空腹を感じないで生きるのは無理な話です。
でも空腹の満たし方というのは、自分で選ぶことができますよね。
ジャンクフードを食べるのか、栄養満点の食事をするのか。それは自分の選択で決めることができるわけです。
それと同じで、後悔という感情に対して絶望するのか、明日を生きる糧にするのか、それは自分で選ぶことができるわけです。
後悔と上手に付き合う方法
どうすれば後悔と上手に付き合えるでしょうか。これは一言で言えば「解釈を変える」ということになります。
よくある表現として、目の前のコップに入っている水を「半分しかない」と見るか、「まだ半分もある」とみるがというのがありますよね。
こんな風に起きている事実は同じでも解釈は変えることができるわけです。
例えば、何かチャレンジをしたけどうまくいかなかった。
そのときに「無駄だった」という風に後悔するのか。
チャレンジをしたおかげで、「このくらいで済んでいる」と思うのか。
これも自分の解釈なんですね。
後悔している人は、自らの意思で自分を不幸だと定義してるんですよね。
例えば、今の日本は自殺する人が多い、もう終わってると思うのか。
発展途上国のゴミ山とかで、ゴミ拾いしながらギリギリの生活をしている子供に生まれた人と今の日本に生まれた自分はどっちが幸せか。
そういう風な比較をすれば、今の日本に生まれることが不幸なはずがないんですよね。
だけど今の日本の中で、もっとお金持ちっていう上だけを見れば、
そこまで恵まれてない自分は不幸だっていう風に考えることもできるわけですよね。
だから結局、何と比べて自分は幸せなのか不幸なのかだけなんですよ。
自分を不幸だと思う人は、悪い方に自分を持ってくるんですよ。悪く世の中を認識するんですよね。
だから「自分はどん底で、不幸で、何やってもダメで…」っていう変な負のループに入るんですよ。
幸せな人は、それこそホームレスになってても幸せなんですよ。
物理的な問題以上にその人の思考的な問題、精神的な問題なんですよね。
どれだけうまい感じでいったとしても、今の自分を幸せだと肯定できなかったら絶対に後悔はするんですよ。
例えば自分がすごい頑張って、月収100万になったとします。俺すげー幸せだと。
でもその時に月収1000万の人がやってきて、お前ショボいなーっていう風に言ってきたとしたら、「もっと頑張ればよかった」と後悔しちゃいますよね。
だから上を見ればキリがないし、そんなこと言い出したら「アラブの石油王の子供じゃない自分は不幸だ」ってなっちゃうわけですよね。
だけど自分よりも悪いものと比べれば自分は絶対幸せ。
だから事実をどのように解釈するか。ここで自分の中の現実は定義されていくんですよね。
現実を良く定義するのか、悪く定義するのは全部自分次第だと思えば、自分の現実を良い定義で受け取るようにどんどんチューニングしていけばいいんですね。
後悔してる暇があったら、じゃあ「今からできることは何だろう」って考えられるわけですよ。
逆にどんなに幸せでも、その発想ができなかったら後悔は必ずどこかで発生するんですよね。
だからそういった点でも後悔しないように頑張るのは意味がないんですよね。
物凄く頑張って成功者の仲間入りを果たしても、病気になった瞬間に「健康にも気を付けておけばよかった」って思っちゃうわけですよね。
だから自分が考えてもどうしようもないことを悩むのは意味がないんですよ。
起きてしまうことをどのように受け止められるかだけが大事なんですよね。
まとめ
人間は後悔をする生き物なので、後悔しないで生きることはできない。
だけど後悔の解釈を変えることはできるので、後悔をエネルギーにすることはできるという話でした。
これは考え方の話なので、すぐに変えることはできないと思います。
だから毎日出来事を良い方向に受け止めて欲しいです。
それを3ヶ月とか続けていくと、だんだんそれが自分の発想の基本パターンになっていくので、どんどん幸せになっていけると思います。
コメントを残す