ビジネス哲学

顧客ニーズを本当の意味で理解する方法

2017年12月8日


どうもこんにちは、Gです。
今日は、「お客さんの本当のニーズを理解している人は少ない」というお話をしたいと思います。

「お客さんの本当のニーズを理解しろ」というのは、よく営業の本や物を売るためのテクニック、マーケティングの本とかでテーマとして取り上げられているので、聞いたことや学んだことがある人が多いと思います。

ところがそういったところで学んだ人たちは、わかった気になっている人が多いんですね。
それは事例や例え話が、自分の身の回りのものとちょっと違うからです。
概念や概要は理解しているけど、意外とそれを現実世界に即して理解している人が少ないんですね。

だから今日のお話では、まだ学んだことがないスタートラインの方から、1回学んだことがある人全般に向けて、ここまで理解したほうが良いという所をお話したいと思います。

ニーズの話で有名なのが、お客さんがドリルが欲しいとホームセンターにやってくる話があります。
ダメな店員さんは、「このドリルがおすすめですよ」とそのままドリルを勧めてしまいます。
優秀な店員さんは、「どんな穴が必要なんですか」とか「そのドリルは何のために使われるんですか」というドリルの用途を聞きます。

するとお客さんは、ドリルで穴を空けて、その上に何かを差し込んで、物を引っ掛けたいと考えていました。
そういった目的を自分の頭の中で考えていて、そのためにドリルが欲しいという言葉になっていたわけです。

だったら店員さんもプロですから、プロの目から見て「それはドリルじゃなくてこっちの方がいいですよ」という提案ができるんですよ。
そしたらお客さんも喜ぶし、場合によってはもっと大きな仕事に繋がったりするわけです。

逆にドリルを売る必要すらなくなってしまうかもしれません。
でも少なくともお客さんは満足をするので、次から来てもらえるじゃないですか。

そういう風な形で本当の価値(value)を取れという話が、教本とかでよくある話なんですね。

表面的なものではなく、お客さんが本当に求めているものを提供しなさい。
これがよく言われるお客さんの本当のニーズを理解しなさいということなんですね。

まあそういう風に言われたら分かります。
でも例えばですよ、その辺の野菜を売っている八百屋さん。
この八百屋さんは何を売っていて、買いに来る人が本当は何を求めているかなんて、考えないじゃないですか。
でもそこまで落とし込まないと使えないんですね。

例えばですけど、野菜とか形が悪いものを良心市みたいに売っている所がありますよね。
誰もいない所に袋詰だけして、100円玉はここに入れてくださいみたいな感じで売られています。
あとはスーパーの一角を使って、地元の◯◯さんが作りました、みたいな地産地消コーナーが出てたりするじゃないですか。

アレはもう、JA(農協)とかで売るよりかは、多少利益も上がるから売っているわけですけど、逆に言えばそれだけ中央市場とかの卸で売るのは、安くしか売れないということなんですね。
あまりにも安くしか売れないから、そういった売り方を工夫して、少しでも利益を出しているというのが一般的な解釈です。

じゃあ売り方を工夫したら売れない物が売れるのかというと、やっぱりそうではないんですね。
なぜお客さんは地産地消みたいな感じになっている、地元の人が売っている野菜を買うのか?
ここに本当のニーズが出てくるわけです。

例えば、今はインターネットで野菜って買えますよね。
あれはどう考えても普通のスーパーで買うより3倍から5倍は高いんですよ。
野菜を一箱に詰めて3000円とかで売るわけですね。

大手は力があるから変わった野菜を入れたり、凄く味の良い野菜を入れたりしてますけど、
そういう特殊な商品を用意する以外は、田舎のおいしい野菜を直送しますみたいな感じで、
ありふれた農作物を直送しているだけなんですね。

でも値段は3倍以上に跳ね上がるわけです。そしてそれを喜んで買っている人がいるんですね。
じゃあなぜ田舎の直売所や良心市で買うと100円のものが、インターネットだと300円で売れるのか?
それは売り方を工夫したからでしょうか。

そうじゃないんです。
お客さんの求めているニーズに合致しているか、合致していないかなんです。

お客さんが求めているニーズ、
インターネットで野菜を買っている人は、野菜を買っているわけじゃないんですよ。
まあ買っているのは野菜なんですけど、そこに求めている本当の目的は野菜じゃないんですよね。

スーパーとかで買うよりもいいものが欲しいとか、
安心安全なものが欲しいとか、作った人の顔が見える信頼できるものが欲しいとか、
つまり信用とか安心とか安全とか、もっといいものだろうという期待値とか、
全て精神的な価値を求めている方が強くなっているんですよね。

つまり野菜というものを野菜というもののま売ると、そこに価値が何も付加されてないので、安いままなんですよ。
畑から卸に流すと、こういう話になるわけです。

卸がスーパーなどの小売の店舗に持ってくるときも大して値段がつかないんですよね。
何故かというと、運送するという価値しか乗せてないから。

せいぜい形を選別して、大きさを揃えて、量を加工してみたいな価値は乗っていますけど、
そういう商品を取り揃えて運送するという価値しか乗せないので、そんなに利益が乗らないわけです。

そして店舗も届いたものをそのまま売っているだけなので、これも運送の価値くらいしか乗せていないわけですよ。
主婦のおばちゃんは、ジャガイモを買いに畑まで行けないから、
代わりにここで買えるんですよ程度の価値がある話ですよね。

だから利益が取れないわけです。
インターネットで売ってるやつがそんなに高い利益を乗せられているかというと、
そういう精神的な期待値とか信用とか安心とかを乗せているから、
そこに大きな金が払われるから、すごく値段が上がっているわけなんですよ。

つまり野菜を買っているけど、本当に欲しいのは野菜じゃない。
これが本当のお客さんが求めているものなんですね。

同じように例えばですけど、リサイクルビジネスをやっている所があるじゃないですか。
バイクやピアノの買取とかですね。

そういう所が買い取ったものは、海外で売るか、国内ならお店で売るか、
もしくはインターネット、Yahooオークションとかで売るとか、
だいたいその商品を市場に戻す入り口って決まってるんですよね。

最近ならメルカリとかスマホで物を売ったりできるわけなので、買い取り業者に頼むより自分で売った方がはるかに高く売れるわけなんですよ。

だったら皆それをすればいいじゃんと、業者が利益を取りたいから、すごく安く買い叩かれるんですよね。
だから業者に売るのは情報弱者で、自分でヤフオクやメルカリで売るのは情報強者なのかというと、そうではない節があるんです。

そういう目線がない人は自分で売ることができない情報弱者が、業者に搾取されてるというイメージを持つ人が多いんですけど、世の中そんなに単純なものじゃないんですね。

というのが業者に引き渡すと、業者はそれを持って行ってくれるわけですけど、
車とか大型のバイクとか持って行くだけでも一苦労じゃないですか。

それをオークションとかで直接販売したときに、もし相手が全然違う県の人だった場合はどうやって届けるのか?という話になりますよね。

それは業者に頼めばいいじゃんとなると、その業者を探すところからやらないといけないし、その業者がどこまでやってくれるのかも大事ですよね。

例えばそれが運搬中に何かあったときの保険に業者は入ってくれるのか。
もし運ぶだけですよ、と言われたら運送中に何かあったら大損するわけで、保険の入った業者なら送料はどんどん上がるわけです。

物によっては、相手に届ける為にちゃんとした梱包というか固定が必要ですよね。
トラックの荷台に固定しようとすると、当然、玉掛けとか専門の技術が必要になってくるわけですし、
実際に購入者のもとに届いて不具合があったら、そのときの対応もあるわけじゃないですか。

そういった色々なややこしいこと、面倒くさいことを業者に代行してもらえる。
つまり業者にしたら、そこの分の価値を提供しているわけです。

だから売りたいけれど、最大の値段で売れなくてもいい、面倒くさいことを全て手放したいという人は、業者に買い取りを依頼するわけなんですよ。

お客さんの本当のニーズはそこにあるわけです。

お金だけをニーズだと思っちゃうと、ウチの方が高く買いますよみたいな価格競争にしかならないんですよ。
でも本当にお金だけ目的にしている人は、じゃあ自分でやればいいじゃん、自分で売って苦労すればいいじゃんという話になるんですね。

そうじゃなくて、その業者は、お客さん自身がやるよりも、すごく楽チンにお金に変えられる、
面倒くさい所は全部引き取ってあげますよという価値を付加しているから、相場よりも安い金額で買い取れるんですよ。
だからこれはちゃんとお客さんのニーズと提供するサービスが合っているということなんですよ。

こいうふうに考えていかないと、安く買い取って高く売れば儲かるんでしょう、楽な商売じゃんみたいなイメージになっちゃうんですね。
表面だけ見て考えちゃうと、俺らは違うものを買い取って売るよとか、よく似た別の商売を立ち上げたら、俺らも儲かるんじゃない?と勘違いをして失敗していくんですよ。

これは競争の激しい飲食店とかも一緒です。
ただ空腹を紛らわす為のニーズに対応しているお店がありますよね。
牛丼屋とかもそうですね、「早い、安い、うまい」があればそれでいいみたいな。

でも居酒屋とかちょっとおしゃれなお店というのは、空腹を紛らわす為には行ってないですよね。
値段もとんでもなく高いじゃないですか。
うな丼が食える値段で、カクテル一杯というお店が平気で世の中にあるわけですよ。

それをただ水を混ぜているだけじゃないか、水商売だ、楽な仕事だな、というのは違うわけです。
そもそも提供しているものが違うんですね。

さらに言えば、そこをちゃんと分かっているお店と分かっていないお店で差がついてきているのが今の時代なんです。
例えば美容室ではパーマをあてたりカラーをして、お客さんの要望通りに髪をいじってあげる、というのが自分達のサービスだと思っていると失敗するわけですよ。

いやいや美容室は髪を切る場所でしょ、髪を整える場所でしょ、と考えている人は多いと思います。
でもそういうお店は上手くいかないんです。

それは途中の方法であって、お客さんが欲しいのは髪を切って欲しいんじゃなくて、
行く前の自分よりも格好良くなる、美しくなる、他の人よりも素敵になる、人生を良くしたいみたいな自分を向上させたいんですね。

自分を向上させる為の方法として、髪型をどうこうしたいと思っているんです。
そこに対応するには、髪を切ることじゃなくて、総合的にお客さんの求めているものに対応することが必要なんです。

それが無かったら理髪店でいいわけですよ。
そう言うと理髪店が悪く聞こえますけど、そうじゃなくて、理髪店は理髪店のニーズをこなしているわけです。
美容室のニーズを持っている人に理髪店の供給をしてはいけないということです。

そういう風に考えると、身近なベタな仕事が、どんどん感情的な価値を求められるものになってきているんですね。
感情的な価値というと、頭脳労働的なものに聞こえますよね。
昔の言い方だと「ホワイトカラー」みたいな人達だけの世界であって、
町の美容室や野菜を売っている、魚を売っているみたいなところは関係ないと思いますよね。

昔の言い方だと「ブルーカラー」の仕事は関係ないと思ってる人がいそうなんですけど、全然そうじゃないんですね。
もう商店街にある一件一件が、感情的な価値を提供することが求められている状態になってきているんです。

そこを理解せず一生懸命に意識の高い本ばかり読んで、自分の身丈にそぐわない知識ばかりつけても身につかないんですよ。

だから自分の仕事で、自分が普段目にする仕事やお店で、誰が何にどんなものを提供しているのか、ここに来る人たちは何を求めているのか、そういったことを深く自分で考えてみることが非常に重要だと思います。

世の中ってほんのちょっとした違いでしかないんですよ。
うまくいく、いかないは、形だけ真似しても違うんですね。

それはその奥にあるバックボーンの本質の部分を理解しているかどうかなんですよ。
さっき言ったようなことをちゃんと自分で考えて理解するようになっていれば、微妙な差を外さなくなるんですね。

そうすると自分の仕事もうまくいくし、自分が将来的に起業するとか副業するときも上手くいくんですよ。
でもここを掴んでいないまま知識だけで走っちゃうと、やっぱり外すんですよ。

だからそこを見極める目ですよね。
全て目利きが大事なので、考え方を見極める目、ビジネス構造を見極める目、そういったものを養っていくといいかなと思います。

今日は以上となります。ありがとうございました。

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